「オイルを入れたのに火が着かない」
ハードエッジライターなどのオイルライターを使っていて、そんな問題に直面したことはありませんか。
以下では、問題解決のヒントになるオイルライターのメカニズムについてご説明します。
ウィック内のオイル量と着火頻度との関係
ライターのタンクにオイルを充填した後、オイルはまずタンク内の綿に染みわたり、次に毛細管現象によってウィック(芯)へと移り着火部分まで到達します。
ヤスリを回してフリント(発火石)から火花が出ると、ウィック内のオイルが火花に反応して着火します。また着火することによってウィックの温度が上昇し、タンク内の綿のオイルがさらにウィックへ供給されることになり、着火の状態が維持されます。
一方、着火部分から露出しているウィックは大気に接しているため、キャップを閉じた状態であってもオイルは少量蒸発しています。
ある程度の頻度で着火を繰り返していればウィックが定期的に温められ、蒸発量を上回る量のオイルがウィック内に供給され続けるため問題なく着火できるはずです。
しかしライターを使用する頻度が少ないと、着火によるウィックへのオイル供給が行われず、蒸発量のほうが供給量よりも多くなる場合があります。
この状態のオイルライターは、あらためて着火する際に火が着きにくくなります。
たばこに火をつける場合と、お香(インセンス)などに火をつける場合の違いを考えてみましょう。
たばこの場合は1日に10回着火させることも珍しくありませんが、お香の場合は1日に1回など使用頻度が少ないかもしれません。
「オイルを入れてから数日しか経っていないのに火が着かない」「オイルが漏れているのかも」といった疑問を抱えている方は、次の項でお伝えする方法をお試しいただき、あなたのオイルライターが上記のような状態になっていないか確認してみてください。
確認方法と対策
ウィック内のオイルが少ないといっても、火花で着火するほどの量が含まれていないというだけで完全になくなったわけではありません。
火が着かないライターのウィックに別のライターの火を近づけてみてください。火が移ったならば、着火不良の原因はウィックへのオイル供給不足である可能性が高いといえます。火がすぐに移らない場合はオイル切れですので補充が必要です。
次に、常に快適に着火するために必要な対策をいくつかご提案します。
・意識的に着火頻度を上げる
ウィック内に十分なオイルを保ち続けるために、1日に数回、気が付いたときにライターに火を着けてみてください。
なお、ウィックへのオイルの浸透は使っているうちに良くなる傾向があります。買ったばかりのオイルライターは、なるべくこまめに使用してください。
・ウィックに直接オイルを補充する
前回の着火から時間が空いたとき、着火する前にウィック先端にオイルを1滴だけ染み込ませてください。
外部からオイルを補充することで着火を補助し、ウィックがタンク内のオイルを吸い上げる助けになります。
注意:使用するオイルは必ず1滴にしてください。またオイルがウィック以外の場所や身体に付着した場合は絶対に着火せず、拭き取ってからよく乾かしてください。
・ウィックの長さを調整する
着火には酸素が必要です。そのため出荷時にはウィックが横から見て風防(ウィンドガード)より2mm程度出るように調整しています(下図を参照)。
着火しにくいときはウィックを引き上げて焦げたところを切り落とし、高さを調整してください。

ウィックは風防から2mm程度出るように
以上のことをお試しいただいても改善しない場合は、こちらもご確認ください。
ハードエッジライターのメンテナンス
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